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サルコイドーシスの診断基準

1.臨床診断

 サルコイドーシスの病名は病理組織学的所見に基づくものであるので、基本的には病理組織所見、生検所見が必要である。しかし、多くの症例では以下のような所見から臨床的には診断可能である。

(1)胸部X線・CT所見:BHLは、本症を疑う大きな根拠となる。加えて、眼病変、皮膚病変が認められれば、まず本症と確定できる。多彩な肺野病変が認められるが、病変の様相に比較して呼吸器症状に乏しいことは本症を疑う根拠となる。

(2)ツベルクリン反応陰性

(3)血清ACE高値

(4)BALF細胞所見(気管支鏡検査による)→総細胞数・リンパ球の増加、CD4/8上 昇

 (2)、(3)、(4)、の所見は本症を疑う大きな根拠となる。ただし、サルコイドーシス以外の疾患でも認められることがあるので注意が必要である。

2.病理組織診断(確定診断)

 生検部位の選定順序:簡便、安全、確実の3条件からみた生検部位の選定は以下のようである。

(1)皮膚病変、表在リンパ節腫脹があれば、まず第一に行う。陽性率も高い。

(2)経気管支肺生検では、胸部X線所見上肺野に病変が認められなくても、50%以上の症例で陽性所見が得られている。

(3)前斜角筋リンパ節生検では70〜80%に陽性所見が得られる。

(4)縦隔鏡下リンパ節生検では100%近い陽性率が得られる。

(5)外科的肺生検は、上述のステップでの診断ができず、かつ他のびまん性肺疾患との鑑別が必要な場合に限って行われるべきである。

 生検による非乾酪性類上皮細胞肉芽腫病変の確認はサルコイドーシスと診断する大きな根拠となるが、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫病変の認められるのはサルコイドーシスだけではない。結核症、真菌症においても同様の病変が認められることがあるので、生検材料については培養検査を含めた細菌学的検査が必要である。

詳しいことは 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会

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