サルコイドーシスとは
一言でいうと「組織に肉芽腫(sarcoido)が出来る病気」で、あらゆる組織に見られます。10万人に2〜3人くらいの罹患率で、国指定の難病(特定疾患)の一つです。
症状は多種多様。肉芽腫が出来た組織により症状は違います。簡単にいうと、肉芽腫が出来たためにその組織が正常に働かなくなる病気と考えると分かり易いと思います。肉芽腫が出来ても、正常部分で補えるような部位や量ならば、無症状です。多いのは肺、皮膚、目ですが、神経、心臓、肝臓など、ほとんどの臓器に見つかっています。
#怠けウサギは比較的日本人に多い心臓のサルコイドーシスです。
→診断基準
原因は不明。肉芽腫は細菌などの未確認の病原体に対する炎症性反応と関係する細胞群です。結核の時見られる細胞群でもありますが、サルコイドーシスは結核に有効な抗生物質が効きません。自己免疫説やアクネ菌(Propionibacterium acnes)説もあります。うつったり、遺伝したりすることはありません。
治療は対症療法。ただし、60%のサルコイドーシスは自然治癒。20%はステロイド治療で治癒。残りの10〜20%が治療にも関わらず慢性化。ステロイド治療は重度の息切れなどを起こす肺のサルコイドーシス、失明の危険のある目のサルコイドーシス、命の危険のある心臓のサルコイドーシス、神経のサルコイドーシスなど特殊な例で必要になります。
#怠けウサギは心臓のペースメーカーを入れただけで、ステロイド治療はしていません(2004.5月現在)。
サルコイドーシスに犯された場所や規模によって、まったく自覚症状なしで自然治癒する人から、命が危ない人までいろいろです。医師も実際に臨床でサルコイドーシスに関わったことがないと、見過ごしてしまうこともあるようです。
心臓のサルコイドーシスの場合、心不全の患者を死後解剖して初めて分かることも珍しくないそうです。
#結局よく分からない病気です。というか、症例が少ない割にあまりに病態がいろいろです。自分の未来が予測不可能・・・・・これが不安の元です。
因みに、進行はかなりゆっくりで、心臓のサルコイドーシス以外は命の危険はほとんどありません。
ゆっくり気長に付きあっていくしかないようです。
(2004.5月)
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