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右手拘束中の一週間 拘束はずれる ベッドから降りられる 呼吸器科受診

動けないけどかったるい
  〜手術後の一日

#手術後5日間、ずっとベッド上に拘束。つまり起きちゃダメ、寝返りもダメ、もちろん歩いてもダメだからトイレも行けない。これってけっこうキツイです。身体を動かして、もしもペースメーカーのリードがずれたら再手術ってことなので仕方がないのですが、手術や病状とは別の意味で辛い。

12.10(水) 手術翌日。明け方とろとろしたなあと思ったら、7時に電気がつき病棟が動き始める。窓際なので、朝の冷え込みが窓から伝わってくる。看護士さんが検温、脈拍測定等に来て、ブラインドを開けてくれる。

 脈拍は前日の40回/分から倍以上の90回/分を越えるくらいになっている。ペースメーカーのおかげで心臓が働いているらしい。血液を抜くための管(手術で一番痛かったところ)の先の袋にもほとんど血液は溜まっていない。体温も平熱傷の痛みもほとんどない。あまり眠れなかったのでぼーっとしている。

 怠けウサギのベッドは、引き出しなどがついている物入れが右側にあるので、右手が使えないととても使いにくい。カテーテルの時も見てくれたベテラン看護士さんが気が付き、朝のうちに物入れを移動してくれた。

 朝食。もちろん食事を取りに行けない。運んでもらう。お茶とおしぼり、口を濯ぐ用にプラスチックコップのお湯とボールも後から配られる。電動ベッドを起こして、テーブルを引き寄せる。物入れの抽出しからフォーク出し、左手で食べる。ご飯は「おにぎり」になっている。他のおかずはいつもとたぶん同じ。あまり食欲もないし、食べにくい。薬をのみ、お湯で口を濯いで朝食終了。食器が下げられる。慣れないので食べ散らかっていてちょっと恐縮。


 午前中早いうちに、K先生の回診。「おかげん如何ですかぁ?」怠けウサギの体調に問題はなく、順調点滴の針も抜ける。その後、先週の心カテーテル生検の結果の話になった。サルコイドーシスの病巣は発見れなかったとのこと。「他の検査も考えてみますね。」まだ他に検査するの?早く確定してくれないかなあ。

 その後F先生の回診。ワゴン〔滅菌ガーゼ入れやばんそうこうや消毒薬などが乗っている〕をガラガラと引く看護士さんと風のように現れる。さっと昨日の傷口チェックし、さっとガーゼを換えて、「問題はないですね?」と怠けウサギに質問し、「傷の具合はいいですね。」と感想を述べ、あっという間にいなくなった。F先生、忙しいのね。


 やがて昼食。朝と同じお茶やおしぼりなど「動けない人用セット」をもらって、左手のフォークで食事。御飯はやっぱりおにぎり。食べてる最中にぼやきガメが来る。お見舞いにいただいた果物とサプリメントを少々持ってくる。果物がうれしい。ぼやきガメに心生検の結果、サルコイドーシスは出なかったことを伝える。確定診断が出ないことに複雑な表情のぼやきガメ。とりあえず元気のお昼を食べている怠けウサギに安心したようだった。

 午後いっぱいひたすらおとなしく、ベッドの上でぼ〜っと過ごす。まだ本などは読む気がしないやたらと顔に汗をかく。放射線技師さんが来て、移動用X線装置で胸部のX線写真を撮りに来る。怠けウサギはベッドに寝たまま。装置を広げて、技師さんが「ハイ息をすって」。さっと、丁寧に撮影。なんかかっこいい。

 そのうち夕食。ぼやきガメが果物とサプリを持ってまたきてくれる。やることが無いので顔を見るのがうれしい。どーでもよいことを話す。30分くらいいてぼやきガメは「また来る」と帰る。やがて消灯。また長い夜。

#この頃からペースメーカーおかげでだいぶ心臓が動き出し、心不全で体内に溜まってむくんでいた分の水が汗や尿として排泄されていたようです。看護士さんの導尿の袋を見たときのリアクションが・・・入院時と退院時の体重差が7〜8kgもありました。

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早くベッドから降りたいよぉ
〜右手拘束中の日々

12.12(金) 手術後3日目。午前中遅くのF先生とワゴンを押した看護士さんの回診で、「もう傷は良いようですねえ。」といきなり傷のガーゼがとれる。え、もう?怠けウサギはちょっとびっくり。「ボンドを塗ってありますから。」ボンドォ??確かに傷を中心に皮膚がゴワガワしている部分がある。ガーゼ外しちゃっていいのかなぁ。一つ回復に近づいたとはいえ、なんか傷のところはスカスカして頼りない感じ。抜糸はいつだろう?

#ところが抜糸はしなかったのです。どんな糸で縫ってあったのかはよくわからないのですが、傷そのものの処置はこのまま抜糸も何もしないで終わり。傷を中心に楕円形に塗ってあった「ボンド」はちょうど瞬間接着剤が乾いたあとのような感じで、傷の上を覆って保護と感染予防の役割を果たしていたようです。2週間位してビロビロと日焼けの後皮が剥けるようにはがれ落ちて、なんとも変な感じでした。


 昼食時にぼやきガメがいつものようにサプリと果物を持ってきてくれる。ガーゼが外れたと聞いてぼやきガメも驚く。子供たちの様子などを聞きつつありがたく果物を食べる。

 ぼやきガメが「そろそろ帰るよ。」と言っている所に「こんにちは。」といきなり怠けウサギ実母実姉が現れる。「どうしたのぉ?急に。連絡くれればよかったのに・・・」目が点の怠けウサギぼやきガメ。二人の住んでいる所から病院へは新幹線等を乗り継いで3時間弱。もちろん事前に連絡無し。「思い立ったらすぐ行動」の実母。70歳過ぎても行動的なのは良いが、付き合うも大変だ。その上「もうそろそろベッドから降りれるかと思って」とは気が早い。「ともかく顔が見たかったから。元気そうで安心したわ。」心配かけてごめん・・・実母は自分の言いたいことだけ言って、「あら、○○時の新幹線に乗りたいからもう行かなくちゃ。」とさっさと行ってしまった。「気晴らしに電話しなさいね。」と実家にあったらしいたくさんのテレホンカードを置いて。ぼやきガメが「駅まで車で送りますよ。」と慌てて後を追っていく。まったくせわしないったら・・・でも、ありがとう。


 右の肩のわきのあたりが痒いなーと思って掻こうとしたら、ゴリッとした手触り。ありゃ?・・・痒いのは手術の傷だった!傷に塗ってあるボンドのところがゴリッとしたらしい。ちょっと痒いけど、しょうがない我慢がまん。のどが少し乾燥してもしたいけど、傷にひびきそうなのでそれも我慢。

 そんなこんなで消灯。暗くなると姿勢を変えられなくて痛い腰がよけいにつらく感じられる。電動ベッドの角度を変えても余り変わらない。眠れない。。。。よし!ちょっと、寝返りしちゃえ!そろそろじっとしてることにも我慢することにも飽きてきた怠けウサギ。右手を動かさなければいいんだから・・・・と左側を向いてみることにする。右手を脇にピッタリくっつけて、動かさないように・・・・・よいしょ。できた!そのとたん、背中に溜まっていた血液が音をたてて流れていくような感じ。気持ちイイ。腰の痛みも気にならなくなり、すーっと眠りに入る。


12.13(土) 手術後4日目。朝7時いつものように看護士さんの体温血中酸素濃度の測定。ところが体温は何度計っても31℃台から上がらない。生地の薄めのパジャマで、毛布も片手なので完全にかからず、右手をまったく動かさないので、右肩周辺が変に冷えてしまったらしい。怠けウサギ自身は別に寒いとも感じていないので、発熱してなければ“ま、良いか”。不思議そうな顔しながら看護士さんは隣のベッドへ。

 朝食後、看護士さんがきて「今日で右手拘束は外しますね。」と、右肩に巻いてあった腹帯をはずしてくれた。「右手を徐々に動かしていいですよ。」やったー!やっと右手が自由になる。喜ぶ怠けウサギ。「月曜日まではベッドの上にいて下さいね。まだ降りちゃダメですよ。」なんだ、まだトイレには行けないんだ。寝返りしたり、起き上がったりはできるけど、今までとあんまり変わらない。ちょっとがっかりの怠けウサギ

 お昼は久しぶりに右手で食事箸が重い。ちょっと使わないだけでこんなに筋肉動かなくなるんだ。でも、左手よりはうまく使えるのでやっぱり食べやすい。今日はそのくらいで良しとしておこう。毎食おにぎりは飽きたよぉ。


12.14(日) 手術後5日目。入院して初めて日曜日を病院で過ごす。平日と違って検査や特別な治療などがお休みで、スタッフの数も少なく静か。その分昼過ぎからお見舞いの人が多い。 

 昼過ぎにF先生が「どうですか」とにこにこして現れる。回診というか何かのついでに顔を見に来たという感じ。時間に余裕があるのか、いつものバタバタした感じがない。印象もさわやか・・・あ、髪に櫛が通っている。手術着の上に白衣を羽織ったいつものバサバサした格好じゃなく、きれいな白衣を私服の上にきちんと着てる。こうしていればF先生って結構好青年じゃん・・・どうでも良いことを考えている怠けウサギヒマなの。。。

 夕方近くにぼやきガメクマ小ウサギが来る。買い出しの帰りらしい。さすがに3人来るとベッドの回りが狭くなる。主にクマの体積(?)。話をしていると夕食が来る。おかずは何とか食べる。怠けウサギ残したお握りを見つけたお握り好きの小ウサギ。「食べていいよ。」と言われ、うれしそうに食べ始める。ほとんど味がないハズ。「まず〜〜」という顔をしながら無理に食べていた。残しても良いのに。食後クマ小ウサギが手分けして食器を片づけてくれ、3人は帰っていく。急に病室の色がなくなって広くなる。静かになる。


12.15(月) 手術後6日目。朝の検温で看護士さんから「今日からベッドを降りて良いですよ。」と言われた怠けウサギ。導尿もはずれ、スッキリ。

 朝食前に、少し高いところに置いてあったアレンジフラワーの枯れた花を取っていたら「あれぇ!怠けウサギさんが起きてるぅ!」と別の看護士さんが素っ頓狂な声を上げた。「おかげさまで今日から起きられます。」怠けウサギも自然と笑顔になる。自分で自由にトイレに行ける、それだけでとっても嬉しい。「今日はまだできるだけ安静にしていて下さい。トイレは自分で行っても良いですがそれ以外はできるだけベッドにいて下さいね。」ベテラン看護士さんから釘を刺された。は〜い、大人しくしてま〜す。でも嬉しい


 午前中のK先生の回診で「今日は呼吸器科の診察を受けて下さい」と言われる。呼吸器科?そう言えば肺の検査もするようなことを前に言われてたっけ?何となく予想はしていた怠けウサギ。確かCTで肺に少しが映っていたはず。「診察の様子で肺生検をすることになると思います。」肺生検?もしやして肺にカメラ付きの管を入れていろいろやるやつ?苦しそう。「心生検サルコイドーシスが見つからなかったので、の組織を調べます。これでサルコイドーシスが見つかったらステロイドに入ります。」テキパキと説明するK先生。気管に気管支鏡を入れて肺の検査・・・できればやりたくないなぁ。

 なかなか呼吸器科診察に呼ばれないので、午後は落ち着かない気分で過ごす。呼ばれたのは午後4時過ぎ。看護士さんが「怠けウサギさん、呼吸器科へ行って下さい。」というので歩いて行こうと場所を聞いたら、「まだ安静なので、車椅子で行きます。付き添いますので。」と言われる。車椅子ぅ!!歩けるのに〜!びっくり。「ちょっと待ってて下さいね。」と言われるが、看護士さんは忙しそう。「あの〜、自分で行けますけど〜。」と言ってみるが「ダメです。」と車椅子に乗せられ病棟から外来へ。赤ちゃんになってベビーカーに乗っている気分で気恥ずかしい怠けウサギ。付き添ってくれたのはいつものベテラン看護士さん。最初別の科の前に連れていかれ「あら、ここは前あった場所だわ。今はあっちだった。」と移動。やっと呼吸器科へ。

 呼吸器科外来は循環器科と同じ1階にある。医長N先生は落ち着いた中年の男性医師。診察室は飾り気のない白い壁の1畳くらい狭い部屋で、入り口をカーテンで仕切ってある。こんな陰気な狭い部屋で朝から晩まで病人を相手にするのが「医者」という職業かぁと思うとちょっと気の毒になる。

 先生はX線CTなどの検査データを見てから、怠けウサギ鎖骨の凹みの辺り(リンパ腺が集まっている場所)をぐっと抑える。その後プリントを渡され気管支鏡による肺生検の話。肺生検を「やらない」という選択肢はないらしい。ヤダなあ、やりたくない。気管支異物を入れるなんて考えただけで・・・

 そして先生はごそごそと抽出しから書類が出して怠けウサギの前に置く。標題は「気管支鏡検査の説明と同意書」やっぱり気管支鏡検査はしなくちゃダメか。先生はレントゲン写真を示しながら「細かい影がありますこの辺を中心に、気管支鏡を入れ、肺の組織をつまみ取ります。」肺は痛みを感じない臓器のだから痛くないはず。血は出るのかしら?「それと、生理食塩水で気管支を洗って、その中に含まれる細胞やリンパ球などを調べる検査をします。」肺の中を生理食塩水で洗う?う、苦しそぅ。

 「合併症はここに書いてある通りです。」咽喉を麻酔するためのキシロカインのアレルギー、組織を取るための出血、まれに気胸。よほどでないかぎり重篤な合併症はなさそう。「ここにサインをして下さい。」先生に言われ、同じ書類2枚にサインする。1枚は病院用。1枚は怠けウサギ用。

これで、気管支鏡検査をすることは決まってしまった。検査予定日は12月17日15時。やりたくないよ〜〜〜。往生際が悪い怠けウサギ

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