12.13(土) 手術後4日目。朝7時いつものように看護士さんの体温、脈、血中酸素濃度の測定。ところが体温は何度計っても31℃台から上がらない。生地の薄めのパジャマで、毛布も片手なので完全にかからず、右手をまったく動かさないので、右肩周辺が変に冷えてしまったらしい。怠けウサギ自身は別に寒いとも感じていないので、発熱してなければ“ま、良いか”。不思議そうな顔しながら看護士さんは隣のベッドへ。
朝食後、看護士さんがきて「今日で右手拘束は外しますね。」と、右肩に巻いてあった腹帯をはずしてくれた。「右手を徐々に動かしていいですよ。」やったー!やっと右手が自由になる。喜ぶ怠けウサギ。「月曜日まではベッドの上にいて下さいね。まだ降りちゃダメですよ。」なんだ、まだトイレには行けないんだ。寝返りしたり、起き上がったりはできるけど、今までとあんまり変わらない。ちょっとがっかりの怠けウサギ。
お昼は久しぶりに右手で食事。箸が重い。ちょっと使わないだけでこんなに筋肉が動かなくなるんだ。でも、左手よりはうまく使えるのでやっぱり食べやすい。今日はそのくらいで良しとしておこう。毎食おにぎりは飽きたよぉ。
12.14(日) 手術後5日目。入院して初めて日曜日を病院で過ごす。平日と違って検査や特別な治療などがお休みで、スタッフの数も少なく静か。その分昼過ぎからお見舞いの人が多い。
昼過ぎにF先生が「どうですか」とにこにこして現れる。回診というか何かのついでに顔を見に来たという感じ。時間に余裕があるのか、いつものバタバタした感じがない。印象もさわやか・・・あ、髪に櫛が通っている。手術着の上に白衣を羽織ったいつものバサバサした格好じゃなく、きれいな白衣を私服の上にきちんと着てる。こうしていればF先生って結構好青年じゃん・・・どうでも良いことを考えている怠けウサギ。ヒマなの。。。
夕方近くにぼやきガメとクマと小ウサギが来る。買い出しの帰りらしい。さすがに3人来るとベッドの回りが狭くなる。主にクマの体積(?)。話をしていると夕食が来る。おかずは何とか食べる。怠けウサギが残したお握りを見つけたお握り好きの小ウサギ。「食べていいよ。」と言われ、うれしそうに食べ始める。ほとんど味がないハズ。「まず〜〜」という顔をしながら無理に食べていた。残しても良いのに。食後クマと小ウサギが手分けして食器を片づけてくれ、3人は帰っていく。急に病室の色がなくなって広くなる。静かになる。
12.15(月) 手術後6日目。朝の検温で看護士さんから「今日からベッドを降りて良いですよ。」と言われた怠けウサギ。導尿もはずれ、スッキリ。
朝食前に、少し高いところに置いてあったアレンジフラワーの枯れた花を取っていたら「あれぇ!怠けウサギさんが起きてるぅ!」と別の看護士さんが素っ頓狂な声を上げた。「おかげさまで今日から起きられます。」怠けウサギも自然と笑顔になる。自分で自由にトイレに行ける、それだけでとっても嬉しい。「今日はまだできるだけ安静にしていて下さい。トイレは自分で行っても良いですがそれ以外はできるだけベッドにいて下さいね。」ベテラン看護士さんから釘を刺された。は〜い、大人しくしてま〜す。でも嬉しい。
午前中のK先生の回診で「今日は呼吸器科の診察を受けて下さい」と言われる。呼吸器科?そう言えば肺の検査もするようなことを前に言われてたっけ?何となく予想はしていた怠けウサギ。確かCTで肺に少し影が映っていたはず。「診察の様子で肺生検をすることになると思います。」肺生検?もしやして肺にカメラ付きの管を入れていろいろやるやつ?苦しそう。「心生検でサルコイドーシスが見つからなかったので、肺の組織を調べます。これでサルコイドーシスが見つかったら、ステロイドに入ります。」テキパキと説明するK先生。気管に気管支鏡を入れて肺の検査・・・できればやりたくないなぁ。
なかなか呼吸器科の診察に呼ばれないので、午後は落ち着かない気分で過ごす。呼ばれたのは午後4時過ぎ。看護士さんが「怠けウサギさん、呼吸器科へ行って下さい。」というので歩いて行こうと場所を聞いたら、「まだ安静なので、車椅子で行きます。付き添いますので。」と言われる。車椅子ぅ!!歩けるのに〜!びっくり。「ちょっと待ってて下さいね。」と言われるが、看護士さんは忙しそう。「あの〜、自分で行けますけど〜。」と言ってみるが「ダメです。」と車椅子に乗せられ病棟から外来へ。赤ちゃんになってベビーカーに乗っている気分で気恥ずかしい怠けウサギ。付き添ってくれたのはいつものベテラン看護士さん。最初別の科の前に連れていかれ「あら、ここは前あった場所だわ。今はあっちだった。」と移動。やっと呼吸器科へ。
呼吸器科外来は循環器科と同じ1階にある。医長N先生は落ち着いた中年の男性医師。診察室は飾り気のない白い壁の1畳くらい狭い部屋で、入り口をカーテンで仕切ってある。こんな陰気な狭い部屋で朝から晩まで病人を相手にするのが「医者」という職業かぁと思うとちょっと気の毒になる。
N先生はX線、CTなどの検査データを見てから、怠けウサギの鎖骨の凹みの辺り(リンパ腺が集まっている場所)をぐっと抑える。その後プリントを渡され気管支鏡による肺生検の話。肺生検を「やらない」という選択肢はないらしい。ヤダなあ、やりたくない。気管支に異物を入れるなんて考えただけで・・・
そしてN先生はごそごそと抽出しから書類が出して怠けウサギの前に置く。標題は「気管支鏡検査の説明と同意書」やっぱり気管支鏡検査はしなくちゃダメか。N先生はレントゲン写真を示しながら「細かい影がありますこの辺を中心に、気管支鏡を入れ、肺の組織をつまみ取ります。」肺は痛みを感じない臓器のだから痛くないはず。血は出るのかしら?「それと、生理食塩水で気管支を洗って、その中に含まれる細胞やリンパ球などを調べる検査をします。」肺の中を生理食塩水で洗う?う、苦しそぅ。
「合併症はここに書いてある通りです。」咽喉を麻酔するためのキシロカインのアレルギー、組織を取るための出血、まれに気胸。よほどでないかぎり重篤な合併症はなさそう。「ここにサインをして下さい。」N先生に言われ、同じ書類2枚にサインする。1枚は病院用。1枚は怠けウサギ用。
これで、気管支鏡検査をすることは決まってしまった。検査予定日は12月17日15時。やりたくないよ〜〜〜。往生際が悪い怠けウサギ。